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成長痛

Q)明らかな原因のない小児の下肢の痛みについて

A)特に思い当たることがなく子供が足を痛がることを経験された方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。特に夜中に痛がって泣かれたりると、不安が募ってきますよね。今回はこれら原因不明の下肢の痛みについてお話します。

成長痛

誰もがなんとなく知っているのがこの病気です。痛みは軽いものから、足をひきずったり時には泣き叫ぶくらい強い場合もあります。
原因は精神的なものだとか、成長のアンバランスなどといわれますが、はっきりとはわかっていません。成長に従って自然に痛みが起こらなくります。、治療は安静を指示し、程度により内服薬を処方したりします。

単純性股関節炎

股関節に炎症がおき、痛みが起こります。ひどい場合には足を動かすと激痛が走り、地面にもつけない状態になります。
はっきりした原因はわかっていません。数日間の安静と消炎鎮痛剤(いわゆる痛みどめ)の内服や湿布で自然に症状は治まります。

化膿性股関節炎

股関節に細菌が入って化膿し、強い痛みがおこります。成人は高熱が出ますが子供はあまり熱の上がらないことがあるので注意が必要です。治療は抗生物質の点滴や内服、股関節の穿刺(注射器で膿を抜く)や切開洗浄(切り開いて膿を出し、洗う)などを行います。処置が遅れると、のちのち成長障害を起こして股関節が変形してしまうことがあるので、早期診断が重要です。

ペルテス病

股関節の柔らかい骨(成長軟骨)の血のめぐりが悪くなり、徐々に変形してくる病気です。数ヶ月の間松葉杖や装具を使い、体重がかからないようにして変形を予防しながら治るのを待ちます。

離断性骨軟骨炎

膝の軟骨の下にある骨(軟骨下骨)に傷がつき、進行すると軟骨にまで裂け目ができたり、はがれたりする病気で学童期から思春期にかけてみられます。症状は歩行時や運動時の痛みで、ひどくなるとひっかかりも起きてきます。早期に診断できれば、安静(場合により松葉杖も使用)で治ることが多いですが、骨がつかない場合や、はがれている場合は手術が必要になります。

反復性膝蓋骨脱臼

膝蓋骨(お皿の骨)がややずれた位置にあり、動作によって外側にはずれそうになる病気で、時に完全にはずれてしまうこともありあす。症状は膝のはずれそうな不安感であり、軟骨が傷ついたり、完全にはずれたりすると痛みが起こります。テーピングや装具、膝の周りの筋力の強化などで治療しますが、原因の多くが生まれつきの膝の形によるため、難治性の場合が多いです。症状の治まらないものは、膝蓋骨の動きを抑える靭帯を新しく作ったり、骨を切って正常の位置に動かす手術を行ったりします。

骨端症

骨の端にある骨端核という成長する部分の血の流れが悪くなり、骨がつぶれて痛む病気です。部位は脊椎(背骨)、手首、足の甲など様々で、治療は安静や装具を用いて変形を予防します。

腫瘍

良性腫瘍(巨細胞腫、骨軟骨腫など)と悪性腫瘍(骨肉腫、ユーイング肉腫など)があります。良性のものであっても、痛みなどの原因となるもの、骨が弱くなり骨折を起こす可能性のあるもの、悪性化する可能性の高いものなどは手術が勧められます。

小児ははっきりとした訴えができないため、成長痛と安易に考えがちです。訴えが強いときや、何度も繰り返されるようであれば一度整形外科の受診をお勧めします。

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